「大切な存在」がいるのは当たり前ではない

当たり前のようにいてくれる、親、兄弟、子ども、パートナー、恋人などの存在は、じつは当たり前ではありません。一人ひとりの存在がいなくなった状態を想像してみてください。今一瞬だけを考えると、目の前からいなくなってせいせいするような人もいるかもしれません。しかし、長い目で見ると、ほとんどの人が、あなたを何らかの形で助けてくれて、サポートしてくれる存在であることでしょう。

肘井学『10代のきみに読んでほしい人生の教科書 豊かに生きるための33のヒント』(KADOKAWA)
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今、あなたが子どもの立場ならば、親が命がけで産み、育ててくれたおかげで、あなたは子どもでいられます。親ならば親で、子どもがいてくれてはじめて親になることができます。お兄ちゃんなら、弟がいてくれてはじめてお兄ちゃんになれます。弟なら、お兄ちゃんがいてはじめて弟になれる。夫なら妻がいて、妻なら夫がいて、世の中はそうやって回っています。

これから生きていくにあたって、今ある幸せに気づく力を忘れないでください。たとえば、地方で生まれ育ち、第1志望の大学に受かって上京すると、しばらくはその幸せに浸れることでしょう。しかし、気づいたらその状態に慣れて、当たり前に思ってしまいます。その傲慢さを打ち破るためには、今の幸せに気づいて、その幸せをかみしめるのです。

立派な職業に就いても、お金持ちになっても、「初心忘るべからず」と言われるように、最初のわくわくしていたころを思い出して、今ある幸せに気づく力を大切にしてください。

「今ある幸せに気づく力」が重要

それは、恋人ができても、結婚しても、子どもが生まれてもそうです。人間は慣れる生き物で、気づいたら周りの物を当然と思う傲慢さがあります。そんなときこそ、今ある幸せに気づく、「有り難う」の言葉を、周囲の人にかけてみてください。今の「有り難さ」に気づいたときこそが、まぎれもなく幸せな状態です。

冒頭で説明したように、大きな夢を描いてください。目の前のことに必死で取り組んでみてください。その結果、何かしらのことを達成できるかもしれません。しかし、それらのものが必ずしも幸せをもたらすとは限らないことも覚えておいてください。大事なのは、今ある幸せに気づく力です。

あなたの根底に、しっかりとした幸福感があれば、どこの世界へ行っても大丈夫です。つねに「有り難う」の精神を忘れないでいることで、必ずやあなたの人生は豊かなものになるでしょう。

【まとめ】
幸せとは、「なる」ものではなく、「気づく」もの。
大事なのは、今ある幸せに気づく力。つねに「有り難う」の精神を忘れずに。
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