2024年度の中学入試にはどんな変化があったのか。プロ家庭教師集団・名門指導会の西村則康さんは「名門男子校の算数は易化する傾向があった一方、名門女子校では難化した学校があった。かつては『第一志望の過去問は10年分解きなさい』と言われていたが、それが通用しなくなってきた」という――。
教室で勉強している小学生の女の子
写真=iStock.com/koumaru
※写真はイメージです

「今の世の中」にどのくらい関心を持っているかを問う

2024年度の中学入試が終わった。今年の難関校の入試問題を見て感じたのは、どの教科においても「あなたは今の世の中にどのくらい関心を持ちながら生活をしていますか?」という内容の問いが多かったことだ。特に社会入試ではそれが顕著に表れていた。

例えば、渋谷教育学園幕張中学校の大問1では、官庁街である霞が関から首相官邸まで歩いて見学したことが事細かに書かれていた。問題には、省庁の位置を問うものもあった。