独身のIが何をしにそこへ行ったのかは定かではないが、やはりこういった複合商業施設は家族向けを狙ってのものであろう。2人の子どもをもつ調査員Aが言う。

「車でまとめて買い物もできて適当に子どもとご飯も食べられて外出したという気分にもなる場所なんですよね」

なるほど、電車と駐車場、駐輪場というアクセスをすべて備えたレイクタウン越谷の強さは足場にもありそう。イオンはイオンモールむさし村山も堅調に伸ばしておりこうした家族向け需要にぴったりと一致するのだろう。

対してららぽーと豊洲は08年から12年の4年間に利用者がおおよそ半減している。ららぽーと柏の葉はそこまでの減りを見せていないのは、豊洲という地域の人気の下落なのだろう。

また三井アウトレットパークで調査対象となった入間と多摩南大沢を比較しても、入間の利用者が増えているのは単純にアクセスと広さの問題と言っていいのかもしれない。入間には近隣にイオン、コストコなどがあり、それも含めた巨大な複合商業施設と考えたほうがいいのかもしれない。

ところが年収別に見ると、マル庶層、マル中層では1位だったレイクタウン越谷が、マル金層では2位になってしまっている。ではマル金1位となる複合商業施設はどこなのか?次回はそれを明らかにし、分析していこう。

[グラフはこちら] http://president.jp/articles/-/7932

※ビデオリサーチ社が約30年に渡って実施している、生活者の媒体接触状況や消費購買状況に関する調査「ACR」(http://www.videor.co.jp/service/media/acr/)や「MCR」の調査結果を元に同社と編集部が共同で分析。同調査は一般人の生活全般に関する様々な意識調査であり、調査対象者は約8700人、調査項目数は20000以上にも及ぶ。

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