朝の目覚めとともに体内時計のスイッチをオンにできるか

50代になると、朝早く目覚めるようになる人が増えます。

厚生労働省の「睡眠指針(註:2023年12月の改訂により現在は「睡眠ガイド」)」でも「年を取ると朝型化します」と記述されています。

ただし、朝型化しても、多くの人はそのまま起きて活動せずに、布団の中でもんもんとしてすぐに起きないケースが多いです。

40代までは、起きたらすぐに活動できるのですが、50代になると、起きてからすぐに活動することができにくくなります。

睡眠には「体がはっきりと目覚めた」と認識してから、8時間後、15時間〜17時間後に眠くなるという原則があります。

ここで大事なことは「体がはっきりと目覚めたかどうか」ということです。

最近の言葉でいうと「体内時計」がオンになったかどうかが重要なのです。

自分では目覚めているつもりでも、「体内時計」がオンになっていなければ、目覚めていることにはならないので注意が必要です。

朝の時間に体内時計のスイッチをオンにすることは、「睡眠圧」を上げるのに欠かせない行為です。

朝起きてすぐの白湯で腸と脳を目覚めさせる

まず最もお手軽に朝目覚める方法は、朝に白湯さゆを飲むことです。

白湯はただのお水を温めただけのものなので、基本的にはお金はかかりません。朝起きてから水を飲むと胃が活動し、連動して腸が動きます(これを胃結腸反射と言います)。

腸が動くと体内時計のスイッチがオンになります。腸は脳と最もつながっているので、自動的に脳が目覚めます。

次におすすめは「朝にシャワーを浴びる」です。

これもお手軽ですが、完全に目が覚めます。ここでのポイントは、夜と違って熱め(42℃以上)の温度設定でシャワーを浴びることです。

お湯があまり熱くないと、体は目覚めてくれません。

最後は「朝に散歩する」。

私が勝手に師匠と仰いでいる樺沢紫苑かばさわしおん先生がもっともおすすめする習慣です。朝に散歩すると太陽の光を浴びることになり、体内時計のスイッチがもっとも強くオンになる行為です。同時に散歩はリズム運動になり、セロトニンも出ますし、血流も回り出すので、朝にスイッチを入れる行為で最もおすすめできます。