断熱化のリフォームには補助金が出る
つぎに、家が寒いと具体的にはどのような健康影響があるのか、見ていきたいと思います。国土交通省の研究チームの報告によると、住まいの室温が低いほど血圧が高くなる傾向があり、また高齢者ほどその影響を受けやすいとの結果が(図表11)。そのほかにも、室温が低いと夜間の頻尿を呈する「過活動膀胱症状」や糖尿病・脂質異常症・腰痛・関節症や睡眠障害など、さまざまな疾病を有する人が多くなるという報告がされています。
しかし断熱材を住まいに入れて、部屋を暖かくすることで、血圧が上昇するなどこれらの疾病が改善することも、研究によりわかってきました(図表12)。また同じ室温でも床暖房など床から1m以内の足元付近を温めると、血圧を下げる効果が報告されています。そのほかにも部屋が暖かいと、こたつなどの座りっぱなしの行為が減り、1日の活動時間が男性では23~35分、女性では27~34分増加し、より活動的になることも分かってきています(図表13)。
このように断熱材を入れた住宅は、外気温の影響を受けにくいため、夏は屋内での熱中症になりにくく、また、冬はヒートショックなどの心疾患をはじめ血圧や腰痛・頻尿などの病気を防ぎ健康寿命を延ばします。住まいが寒いと感じる方は、一度、断熱材がどのくらい入っているのか、家を建てた工務店やハウスメーカーに確認してみてください。もし断熱材がしっかり入っていない場合は、健康のためにもリフォームすることをお勧めいたします。この住まいの断熱化リフォームは、いまなら各団体や各自治体で補助金を出しています。「断熱改修 補助金」または「断熱リフォーム 補助金」で検索してみてください。