相手に優しいと思われる人は何をしているか。精神科医の和田秀樹さんは「例えば二人でレストランに食事にいったときに『あなたが決めていいよ』と言われた方が嬉しい女性もいれば、『あなたに決めてもらった方が嬉しい』と思っている女性もいる。女性に結論を委ねることが優しさと考えている人が多いようだが、女性の目にはそれが優柔不断と映り、男性が思っているほど、女性は優しさを感じていない。男性の一方的な勘違いだ」という――。

※本稿は、和田秀樹『なぜか人生がうまくいく「優しい人」の科学』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

レストランでメニューを見ているカップル
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男性が求めているのは、母親が与えてくれた優しさ

本稿では、「男性が女性に対して求めている優しさ」と、「女性が男性に求める優しさ」の相違点に着目して、それぞれの特徴を詳しくお伝えします。

男性でも女性でも、よほどの事情がない限り「優しい人が嫌い」という人はいませんが、実際に優しい人と出会って交際を始めたり、結婚をしたら、「ウンザリした」とか、「ガッカリした」……という人は少なくありません。

なぜ、そんなことが起こるのでしょうか?

その原因は、男性と女性では、求める優しさに大きな違いがあり、お互いがそれを理解していないことにあります。

年齢や経験を重ねることによって、異性に求める優しさは、その時どきで移り変わるのが一般的ですが、男性が最終的に求めるのは、「母親」の優しさです。

母親を求めるといっても、熟女好きとか、マザコンという意味ではありません。

男性が追い求めているのは、まだ20代とか30代の若かった頃の母親が、幼い自分に与えてくれた優しさです。

自分のことを抱きしめてくれたとか、可愛がってくれたという記憶が、優しさの原体験として深く脳に刻まれているため、多くの男性が女性に対して、「包み込んでくれるような優しさ」を求めています。