午前中の営業内容を昼礼で確認・評価・改善する

その営業業務におけるPDCAサイクルから説明しましょう。

図表1がその仕組みです。

ここに、みなさんご存知の「P」「D」「C」「A」という記号が並んでいます。

朝礼でその日の目標を確認して一日の計画を立て(PLAN)、それに則って午前中の営業電話をかけます(DO)。昼礼で、午前中の電話業務の進捗を確認・評価する(CHECK)とともに、改善策を反映した午後の計画を立てます(ACTION・PLAN)。

もし、昼礼時に「午前中の案件数が足りない」と判断されれば、その日の案件数を達成するために、どのように午後の電話を工夫するかの計画を立てるのです。

そして、再び午後の営業電話を行い(DO)、最後に、その日の目標に対する実績を評価して(CHECK)、翌日に向けた改善策を検討します(ACTION)。

社員教育だけでは個人レベルで止まってしまう

このような仕組みを構築することで、1日に2回、PDCAサイクルが回るという体制を確立することができます。

営業担当者全員がこの仕組みに沿って業務を遂行することで、PDCAサイクルが確実に実行されます。

PDCAを効果的に回すための一定のフォーマットをつくり、それをベースに一日のスケジュールを組んで仕組み化すれば、PDCAは確実に回り始めるのです。

多くの会社では、「PDCAサイクルを回すためには、まずは社員教育が重要だ」と考え、社員に「PDCAに関するこの本を読んで、よく勉強してください」と指示し、PDCAの実行を個々の判断に委ねます。

その結果として、一人ひとりの意識は向上し、個人の業務レベルではPDCAサイクルがうまく機能するようになるかもしれません。

しかし、会社組織全体としてはPDCAサイクルがまったく回らないという事態が発生します。