どれだけのお金があれば幸せになれるのか。金融業界で働いてきた女装家の肉乃小路ニクヨさんは「私はかつて、資産で周囲に追いつきたいという焦りから500万円の損失を出した。お金で焦っても、幸せになることはできない」という――。

※本稿は、肉乃小路ニクヨ『確実にお金を増やして、自由な私を生きる! 元外資系金融エリートが語る価値あるお金の増やし方』(KADOKAWA)を再編集したものです。

古く狭い和室
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収入が上がらず仕事もうまくいかず、腐りかけた20代

私は順風満帆に外資系企業の正社員になったわけではありません。新卒で入った証券会社は現場で働く前に辞めてしまいましたし、その後は契約社員やアルバイトも経験しています。20代の頃は、東京都新宿区の4畳一間のお風呂(シャワー)とトイレが共同の物件に住んでいました。

20代後半まで、私は契約社員でした。収入が思うように上がらず、腐りそうになったこともあります。低評価だったり、上手く業務を回せなかったりした時などは、ストレスで掌の皮が全部めくれた時もありました。時給の良さにつられ、クレーム対応の仕事をして、心を病んで引きこもってしまった経験もあります。

でも、私は復活しました。私を復活させてくれたのは「営業」という仕事でした。

信じられないかもしれませんが、私はコミュ障(コミュニケーション障害)です。大学時代も陰キャで、ドラァグクイーンとしても、ショウタイムは頑張るけれど、それ以外はほとんど役に立たない自分勝手なクイーンでした。