友人たちに追いつくためには営業から叩き上げるほかなかった
そんな私は絶対に営業に向いていないと思っていました。だけど、このままだとどんどん周りと差がついていきます。大学時代の友人たちは企業で3~4年目となり、ボーナスや昇給で豊かに暮らしていました。後輩たちも私より良い生活をしています。遅れた分を取り返すには「営業」から叩き上げるしか方法がなかったのです。
自分をもっとアピールできる(売り込める)ようになりたいという気持ちもありました。そのためにも「営業」を経験することは自分の役に立つのではないかと思い始めた頃、ある銀行で投資商品を売る歩合制の契約社員として働き始めました。コールセンターの経験があったので、電話の腕を買われての採用でした。
今までは受ける(受信)だけの仕事だったのに、今度は電話をこちらから発信しなければなりません。ものすごく抵抗がありました。要らない情報なのでは? 嫌われるのでは? 最初はおっかなびっくり電話をかけていました。
新人は口座開設をした人にお礼の電話をかけさせられます。そこで、興味がある商品がないかを聞き出し、興味があれば資料を送り、説明して、最終的に電話だけでクロージング(契約成立)まで求められる仕事でした。
粘って続けていたら販売実績1位をとれた
電話をかけていくうちに、50本に1本くらいは話を聞いてくれることがわかりました。話ができるとあとは受信の仕事の時に培った説明スキルを使うだけです。この経験は大きかったと思います。自分の発信なんて、迷惑になるだけだと思っていたのが、必要としてくれる人もいる。そういった人に出会うために頑張ろうと思えるようになりました。
正直、歩合としてはそんなによくなく、辞めていく人も多い職場でしたが、私は粘って続けて、最終的にはグループで一番の実績を残すことができました。さらに色々な投資商品の販売資格を取ることもできたので(もちろんそのため勉強は別にしました)、心からやって良かった仕事だと思っています。
その実績を引っ下げて、もっと条件の良い営業の仕事がしたいと考え、正社員採用に応募するべく、人材紹介会社に登録をしました。そこで条件の良い保険会社の営業支援の仕事を得て転職し、以後はなんとか勢いよくキャリアを重ねることができたのです。