どこで嘘を見抜くのか
たまに「嘘をつくのも立派な能力で、こと営業職では高く評価される」という意見を目にすることがあります。
確かに世の中には「嘘も方便」というシーンもありますが、筆者は転職活動中の嘘はお勧めしません。
特に経歴詐称になるような嘘は、入社後に重罪となりますので、絶対にやめておきましょう。
採用人事は、どこで「怪しい」「嘘っぽい」と見るのでしょう?
答えとしては、「最初から全て疑ってかかっている」と思っておいてください。
「貴社で活かせるスキル・経験」とか「自己PR」とか、しょせん自己申告の世界で、みんな良いことしか書かないよね。これらが書いてある通りだと額面通りとらえるわけにいかないよ、というスタンスです。
短絡的には判断しない
中高年によくあるのが、組織の功績をさも自分一人の力で成し遂げたように表現するケースです。
確かにその組織の長に就いていたなら、ある程度は貢献したのでしょうが、部下達が超優秀で長は特段何もせずに成果が出たのかもしれません。
偶然のヒットをいかにも自身が綿密に計算した成果のように装うというのも同じです。
こういったケースでは、
・その功績・ヒットが生まれた背景、経緯は?
・そこに行き着くまでに立ちはだかった壁は?
・それをどう乗り越えたか?
・そこでの自身の具体的な取り組みや周りの働きぶりは?
など、面接で詰問されます。
そこで、その成果に導くあなたのやり方が、応募先でも活かせると採用人事が判断したら、「再現性あり」と、高く評価されることでしょう。
一方、
「成果と取り組みの因果関係が乏しい」
「何か怪しい」
「引っ掛かる」
となると、他はOKだとしてもこれがボトルネックになって、全体的な評価を下げてしまうということもあります。
さすがに今ではかなり減りましたが、罰点がつかない限り、ある時期までは同期横並びで昇進、昇格するといった旧態依然とした人事評価制度がある企業は現存します。
そうした企業なら、40代半ばともなるとそれなりに部下もいますが、マネジメントスキルは全くと言っていいほど備わっていないという人も存在することは、採用人事も把握しています。
つまり短絡的に「会社のヒエラルキー上の管理職経験=マネジメントスキル」とは見ていないということです。
面接での詰問に対してきちんと回答できて、初めて感じ取ってもらえるものです。