アメリカ人の傲慢さと愛国心を見習うべき

私は1987年から1992年までアメリカに住んでいたが、もうウンザリするくらいアメリカ人の愛国心と自信を見せつけられてきた。

スポーツやプロレスの試合で相手国が優勢になると、途端に割れんばかりの「U.S.A.!」コールが巻き起こる――そんな光景を試合中継などで見たことがある人もいるだろう。「何事においても、アメリカが最強で、最高!」と信じて疑わないのがアメリカ人なのだ。

私が日本に帰国することを高校の同級生に伝えた際には「ハァ~⁉ なんでアメリカみたいな素晴らしい国から出ていくの? あなたはアメリカにいるべきよ!」「アメリカにはピザがあるのよ! 日本にはないでしょ!」などとまくし立てられたものだ。

また、パスポートを保有するアメリカ人が10%台であることに疑問を呈した時には(現在の日本も10%台)、「あのさ、お前ら日本人みたいにわざわざ外国に行かなくても、オレらにはフロリダ、カリフォルニア、ニューヨーク、テキサス、ニューオーリンズ、ラスベガス、コロラドスプリングス、ナイアガラの滝などサイコーの観光地がいくらでもあるんだよ。なぜ海外に出なくちゃいけねぇんだよ。しかもカナダとメキシコにはパスポートなしで行けるんだぜ(当時)」と強く反論された。

アメリカ人の愛国心はたしかに鼻に付くが、「外国からどう見られようが気にしない。俺たちの国が一番だ」という揺るぎない自信は、日本人も多少見習うほうがいい。

「他国からの評価を愛国心の支えにする日本人は惨め」

そうしたアメリカ生活の記憶も含め、「外国人の“日本礼賛発言”を欲しがる、日本人の気持ち悪さ」について、旧知の編集者A氏と語り合ったのだが、彼は私の意見に賛同しながら、こんなことを言っていた。

「日本礼賛番組で紹介される『外国人がウォシュレット(温水洗浄便座)に感動』とか『温かい便座に感激』なんて話、初めて聞いた時は面白いと思いましたけど、いいかげん、飽きましたよ。誰だって自国のことを海外の人からホメてもらえれば悪い気はしないだろうし、事実、日本は安全で暮らしやすい国だと思う。でも、他国からどう評価されるかを自分の愛国心の支えにしたり、外国人のリップサービスを真に受けたりする日本人が増えているのだとしたら、なんだか惨めな話ですよね」