質問する言語が変われば、答えが変わる
「英語で質問する方が詳細・正確な答えが返ってくる」というのはおもしろい指摘で、ChatGPTは、各国ないし各言語環境におけるそれぞれの情報レベルがよくわかるサービスでもあります。
たとえば、高度な数学の証明問題は日々研究され続け、解かれ続けているわけですが、問題が解けた段階で、まず英語で成果が発表されます。ということは、事前学習が時間的に間に合っていれば、ChatGPTは、英語で質問された場合にはその証明問題および解を完璧に探し出してきて答えてくれます。
ただし、その証明問題が日本であまり有名ではなく、日本語のサイトがその証明問題および解の紹介に十分に対応していない場合には、日本語でChatGPTに質問した場合、ネット上の、日本語によるさして重要ではない情報が要約されて答えとして出てくるに留まるということになります。
「人間による付加価値」が大切なのは変わらない
私は現在、嘉悦大学の大学院で教授を務めているので大学の事情については詳しいのですが、レポートについては昔から、ネットで検索してコピー&ペーストして書くということが行われていました。ChatGPTは文章まで生成してくれるのが問題だということですが、別にそれは今に始まったことではなくて、大切なのは、方法はともかく自ら調べてきたものにどれだけの付加価値をつけられるかということです。
意地悪ととられるかもしれませんが、レポート課題を出すときに、「ちなみにChatGPTはこう答えているが」と釘を刺し、これにどう付加価値をつけることができるかで採点することを伝えるということにもなるでしょう。これは時代の変化ということかもしれません。