帰省は一大事だ。人間関係に疲れることもある。少しでも負担を減らすにはどうすればいいのか。夫婦問題研究家の岡野あつこさんは「帰省時のトラブルについての相談は多く寄せられる。メンタルへのダメージを防ぐためには、事前の対策が重要だ」という――。
タワーマンションが立ち並んでいる景色
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「夫の実家への帰省が嫌で嫌で仕方ない」

「正直、帰りたくない」「のんびりするどころか、むしろ気が重い」という声を聞くことが多い、自分の実家や義実家への帰省。気を遣っているつもりでも、心をすり減らすような出来事は起こるもの。実際に、年末年始で実家や義実家に帰省をした際にトラブルに遭ったケースとしてこんな事例がある。

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【CASE1】マウントをとってくる義姉とのバトルに疲れ果てた妻

「毎年年末が近づくと、片頭痛が出るほど夫の実家への帰省が嫌で嫌で仕方ない」と苦しい表情で語るのはR奈さん(43歳)。2歳年上の夫とは結婚14年目、私立中学に通う中学生の娘がひとりいる。

R奈さんが義実家に帰省するのをためらう理由は、1年に1度会う夫の姉の言動だった。「義姉は、なにかにつけて私たち夫婦に対してマウントをとらないと気が済まない性格なんです」。

R奈さん夫婦と義姉夫婦は、「夫も妻も会社員として働いていて、中学生の娘がひとりいる」という環境はほぼ同じ。「だからこそ、現状を比較して『ウチのほうが勝っている』という確信を得たいのではないか」とR奈さんは分析する。

「都内のタワマン暮らし」を誇ってくる

たとえば、住居についても義姉はR奈さん夫婦に挑んできたという。R奈さんの現在の住まいは東京にほど近い神奈川県にあるタワーマンションだ。9年前に新築のタワマンを購入し引っ越した際、年末年始の義実家への帰省でその報告をしたところ、義姉から「ウチも来年は新居に住もうと話しているの。でも、都内じゃないと資産価値がないじゃない? 一生モノのお買い物だし、慎重に決めなくちゃね」とイヤミを言われた。

結果、義姉夫婦は都内のタワマンを購入したという。R奈さんいわく、「都心まで出るのにウチより時間がかかる中古物件の2階なんです。それでも何かにつけて『都内のタワマン暮らし』を誇ってくるので、うらやましくないつもりなのになぜかイライラしてしまうんです」。