「従業員満足度」を高めないと、ファンは満足しない

阪急阪神HD代表取締役会長で、グループCEOの角和夫氏は『統合報告書』(2023年)の87ページ目で次のように述べています。

「私が、最も重要視しているのは、従業員満足度です。従業員の満足度が向上すれば、お客さまにご満足いただける商品やサービスの提供につながります。従業員のエネルギーが企業価値の源泉であり、我々経営陣の責任は、従業員のエンゲージメントをいかに高めるか、ということであると考えています」

統合報告書とは、財務情報だけでなく、企業統治(コーポレートガバナンス)、法令遵守(コンプライアンス)や社会的責任(CSR)、知的財産などの非財務情報をまとめたものです。

劇団員の満足度を高めないことには、観客が満足するエンターテインメントを届けることはできません。これまで、働く環境が厳しい中でも、感動を与えるレビューや演劇を披露できたのは、劇団員の努力や精進と、親やファンの金銭を含めたサポートがあったからでしょう。劇団員の命を削るような奮闘や、親やファンのサポートに、企業側も甘えていてはいけません。

「愛されるタカラヅカ」であり続けるために

来年、宝塚歌劇団は110周年を迎えます。今年7月に周年イベントの概要を発表しましたが、ファンや多くの人から110周年を祝福されるためには、抜本的な改革、不信感を取り除くことが不可欠ではないでしょうか。

阪急阪神ホールディングスのエンターテインメント事業の目標は、日本一になった阪神タイガースの連覇と、宝塚歌劇団の110周年を成功に導くことだと思います。そうなることを願っています。「夢」と「感動」をプロデュースするエンターテインメント事業はグループの業績に寄与してきました。

阪神タイガース主催試合の入場者数は約262万人(これは昨シーズン、2022年の数字)、宝塚歌劇団の観客数は約278万人(2022年度実績)に達しており、グッズ、飲食などの収入も大きなウエートを占めています。

宝塚歌劇団に、いつまでも輝いていてほしい。もし、宝塚歌劇団がファンから見放されると、劇場に向かう阪急電鉄の乗降客が減り、阪急沿線の地価が下がってしまうかもしれません。

タカラヅカを楽しみにしている人たちの気持ちを裏切らないよう、「阪急」「阪神」のブランド価値を低下させないように、阪急阪神HDは宝塚歌劇団の抜本的な改革をし、社会的責任を果たしていただきたいと望みます。

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