今、受信料廃止を議題にしないのはおかしい
以上、検討委員会が検討しなかった議題について述べてきたが、委員の方はおそらくこう反論するだろう。「私たちは検討するように言われた議題を議論したのであって、議題にないことで私たちを批判するのはフェアではない」
まったくその通りだが、そこにこそ問題がある。つまり、この検討会は総務省・NHKが設定した議題について議論し、結論を出すことになっていて、国民・受信者が問題としている議題について議論し、結論を出すことにはなっていない。
現行の受信料制度はとくにZ世代にとって不公平なもので、それゆえこれからも不満が高まっていくのだが、そのことは議題とせず、受信料と切り離して、NHKが放送からネットに移ることのみ検討し、議論するよう設定されている。
これでは総務省・NHKとは対極にいる受信者・国民は、出てきた結論に納得しないだろう。むしろ、その非民主的やりかたに不満を募らせていくだろう。「NHKから国民を守る党」が議席を得ていることがそれを如実に示している。
NHK・総務省は、NHK存続のための議題を設定するのでなく、国民・受信者が真に望むことを議題に設定しなければならない。それは受信料の廃止にほかならない。すでに他の先進国もこの方向で動いている。日本でも議題にせざるを得ない状況にあるのだ。