基礎力強化や苦手対策は11月まで
塾の授業を聞いていれば、なんとかなるはず。そう思う親は多いが、ただ聞いているだけでは何の成果も出ない。この時期の勉強は、「何(苦手単元)をいつまでに(11月の終わりまで)やる」と、きちんとやるべきことを決めておくことが重要だ。長年、中学受験の指導にあたっていて感じるのは、入試本番前の12月・1月の直前期になっても、いつまでもインプットの学習をし続けている子は、受験に失敗するケースが多い。結局、インプットばかりして、知識の整理ができないまま本番を迎えてしまうため、限られた時間内でいかに得点力を高めていくかといった「入試で勝つ力」を身に付けられないまま、挑戦することになるからだ。
基礎力強化や苦手対策は11月までと割り切って、12月以降は入試を意識したアウトプット型の学習に切り替えていかなければならない。そのためには、残りのこの1カ月に何をやって、何をやらないかを決めることが重要になる。
良い家庭教師は「子供が問題を解く様子」をじっくり観察している
「志望校の合格点まであと30点足りないんです。なんとか成績を上げることはできないでしょうか?」
そして、冒頭で触れたように、この時期になると、家庭教師の問い合わせが急増する。今の時期から偏差値を10上げるのは現実的ではないが、合格点まで30点上げることはできなくはない。だが、家庭教師を付ければ必ず成績を上げられるかといえば、そうとも限らない。やはり、家庭教師にも当たりとハズレがあるからだ。
直前期の課金を無駄なお金にしないためには、良い家庭教師と残念な家庭教師を見極める力が必要になる。良い家庭教師は、子供が解いている様子を横でしっかり観察し、その子がどのように解いているかを感じ取ろうとする。
姿勢が悪くなっていないだろうか?
鉛筆はしっかり持てているだろうか?
筆圧は? 焦って雑に書いていない?
なぜこの問題を解くときに図を書かないで、いきなり解こうとするのだろう?
なぜここを暗算してしまうのだろう?