センスのいいプレゼン資料はどこが違うのか。SNS総フォロワー数47万人超のデザインメディア・デザイン研究所の書籍『デザインのミカタ 無限の「ひきだし」と「センス」を手に入れる』(KADOKAWA)より一部を紹介しよう――。
「センスのないの資料」は色数が多すぎる
プレゼン資料には文字・図形・背景などさまざまな箇所に「色」が使われています。初心者がやりがちなデザインといえば、資料内の色数をやたらと増やしてしまうこと。
デザインクオリティの高い資料とは、すなわち見やすく内容が伝わりやすい資料です。意味もなく色を多用すると、読み手は見るべきポイントが分かりません。内容が伝わらない「センスのない資料」が出来上がってしまいます。
子ども向けのデザインなど賑やかな印象を与えたいときにあえて色数を増やす場合もありますが、初心者にとっては難易度が高く、チグハグな印象になる可能性が高いです。
プレゼン資料を作成する際は、「無彩色(白・黒・グレー)+1~2色」の配色をおすすめします。使用する色数を減らすと資料全体に統一感が出て、強調したい箇所に視線を誘導することが可能です。
デザインへの苦手意識が強い方は、まず「無彩色+1色」の配色からスタートしましょう。
1色に絞ることで色選びに悩む時間が減り、資料作りがぐっと楽になります。かつ、資料がダサくなる原因のひとつである有彩色(無彩色を除いたすべての色)の組み合わせが不要になるため、センスのない資料になりにくいです。
使用する1色は会社のロゴマークに使用されている色や、読み手に与えたいイメージに合う色(後述)を選ぶとまとまりが出ます。
配色は3パターン×3パターンの組み合わせ
慣れてきたら、「無彩色+2色」の配色にチャレンジしてみましょう。
無彩色以外に2つの色を使用する場合は、次の3パターンの組み合わせにするとセンスのいい資料になります。
・対照色……色相環で離れた位置にある色(青色と赤色など)
・類似色……色相環で隣接する色(青色と緑色など)
・補色………色相環で正反対に位置する色(青色とオレンジ色など)
・類似色……色相環で隣接する色(青色と緑色など)
・補色………色相環で正反対に位置する色(青色とオレンジ色など)
また、2色の割合は次の3パターンにすると美しく仕上がります。
・5:5……対比構造などに使われる。
・7:3……メインカラーを7割、それを補うサブカラーを3割使用してメリハリを出す。
・9:1……メインカラーを9割、アクセントカラーを1割使用して視線誘導や行動催促を行う。
・7:3……メインカラーを7割、それを補うサブカラーを3割使用してメリハリを出す。
・9:1……メインカラーを9割、アクセントカラーを1割使用して視線誘導や行動催促を行う。
上記の3パターン×3パターンの組み合わせを試し、しっくりくる配色を資料に採用するといいでしょう。