新聞などでは「日本人の英語力は世界最低クラス」などとする報道をたびたび目にする。本当にそうなのか。立教大学異文化コミュニケーション学部の中田達也教授は「TOEFLなどの平均スコアを国別に比べても意味がない。日本人の英語力が突出して低いというデータはない」という――。

※本稿は、中田達也『最新の第二言語習得研究に基づく 究極の英語学習法』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

英語を話しますか?
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日本人の英語力は本当に世界最低クラスなのか

新聞や雑誌などのメディアでは、「日本の英語力はアジア最下位」「諸外国の中で最低クラス」といったセンセーショナルな見出しが定期的に躍ります。「中学・高校と6年間も英語を勉強したのに、英語が話せるようにならなかった」といった不満もよく耳にします。しかし、日本人が本当に世界に名だたる英語下手であるかどうかは、疑わしいところがあります。

「日本人の英語下手」を煽る記事では、TOEFLなど、英語試験の国別ランキングを引用するのが定番です。しかし、これらのランキングをもとに英語力を比較するのは不適切です。