カリキュラム内容と授業料は妥当か

授業料(保育料)も気になるところです。高いからといって安心できるとは限りませんし、そこそこのお値段でそれに見合うだけの優れた保育や教育を受けられることが大切ですよね。

幼児を対象とした国際的に知られたカリキュラムとしては、国際バカロレアや、イギリスのカリキュラムを基にしたインターナショナル・プライマリー・カリキュラム(IPC)、モンテッソーリ、シュタイナー、レッジョ・エミリアなどがあります。このあたりの認証を取っていればある程度安心と言えるでしょう。

各園の理念に合わせて、自前でカリキュラムを組んでいるプリスクールもありますし、上に挙げた国際的なカリキュラムの「いいところ取り」をしているところもあります。じっくり話を聞いてみましょう。

授業は見学させてくれるかも重要なポイントです。生の授業や生徒たちの様子を見せられる園は、自分たちの保育に自信があります。また、時間割が朝から晩までギチギチに詰まっていないかも確認しましょう。子供の心身の発達のためには、午後3時ぐらいまでで学びは終わり、後は遊びますというくらい時間的にゆとりがあることがとても重要です。時間割がスカスカでも先生の巧みな指導の下、探究的な学びを深めているケースもあります。理解度の向上と脳の発達にはアイドリングタイムが大事なのです。

公園の遊具で遊ぶ子供と支えている母親
写真=iStock.com/O_Lypa
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こうしたしっかりとしたカリキュラムがある園の授業料で、私の感覚では、年間100万~150万円あたりが妥当な線でしょう。一条校と違って補助金が期待できない認可外保育施設では、経営の安定を考えると安ければいいというものではありません。国際的なカリキュラムの認定を得ている施設の場合、カリキュラムを実践できる教員採用・トレーニング体制が整っているかどうかが経営・運営面からもチェックされていることが多いので、その点でも安心材料になるでしょう。

本気度がわかる0歳児クラスの人員配置

経営が安定していることの大切さは言うまでもありませんが、ビジネス的にはマイナスになる事柄からプリスクールのやる気が見えてくることもあります。

例えば指導監督基準に従えば、4歳児クラスであれば先生1人で30人の子供を見ることができる反面、0歳児クラスでは子供3人に対して先生を1人配置しなければなりません。つまり認可外保育施設では、1カ月の保育料として10万円もらったとしても、先生1人あたりの「売上」は30万円に過ぎず、小さい子供の教育はやればやるほど儲からないという図式です。それでも定員を守りつつ低年齢の子供たちを預かっている施設というのは、幼児教育に本気で取り組もうとしていると言えるわけです。