「我々は日本市場での安売り、軽自動車販売などで、ブランドが傷つく経験をイヤというほどしてきました。これからロシアやメキシコ、アジアと、ゼロからブランドを立ち上げていく。このときに安くして数をばらまくことが成功ではないのです。世界1億台の時代に、我々がどんなに頑張って200万台売ってもグローバルで2%です。2%の車が輝いて存在感のある車になるために、万人受けする必要はありません」(山内)
EVでも低価格車でもなく、ブランドと内燃機関で攻める。マツダは新興国で独自のアプローチをしていく。
「新興国での攻防において最後は“人”が決め手になると思います。給料だけではライバルには敵わない。しかし、魅力的な車をつくる会社で働きたいという思いはかなえたい。」(山内)
次回、グローバル化が進むなかで日本人の働き方がどう変わるのかを考える。会社が社員に求めることは、人事政策や企業文化によって会社ごとに違う部分が大きい。それは新興国戦略や環境戦略の違い以上だ。グローバル化が待ったなしの状況で、これから日本人はどうすべきか、探っていく。
(文中敬称略)
※すべて雑誌掲載当時
(的野弘路=撮影)