切られたら、真っ逆さまに堕ちるだけ――そんな恐怖を眼前にした、もしくはそれが現実となった3人に話を聞いた。果たして彼らは“お荷物”だったのか?
田所学さん(仮名、53歳)
「来年の大学受験を控えた次男は、塾には行っていません、通信教育で頑張っています」。朴訥だが知的な風貌だ。「まだ、家を建 てたばかりなんです。3000万円の物件で、35年ローン。月々十数万円、あと30年残っています」と語る声は消え入りそう。
「来年の大学受験を控えた次男は、塾には行っていません、通信教育で頑張っています」。朴訥だが知的な風貌だ。「まだ、家を建 てたばかりなんです。3000万円の物件で、35年ローン。月々十数万円、あと30年残っています」と語る声は消え入りそう。
「20年近くいた前の会社は同族会社でした。バブルの頃はよかったですねえ……。ボーナスは年に何度も出たし、社員旅行も毎年海外だった」――現在、子ども2人を公立高・私立大に通わせる中小機械メーカーの田所学さん(仮名、53歳)の胸中は複雑だ。
「4~5年前には、『オレもリストラ対象に入ったのかな?』とは薄々と感じていました」
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