ああ、ここは何でもOKだな

(左から)手塚一郎さん・三浦 展さん

【手塚】ハモニカ横丁の面白さは、デザインされたものではないということ。戦争中に武蔵野には中島飛行機の工場があったから、そこが空襲で燃やされるとやばいというので、ここをブルドーザーで平らにしちゃった。終戦後、そこに闇市ができた。で、闇市から始まって盛り上がって、儲かったお金はマンションとかにみんな費やして、そんなことをしているうちに国鉄が吉祥寺駅にロンロンという駅ビルをつくって、生鮮食品の売り上げは全部そこに取られた。ここはしょぼんとした廃墟みたいなものだった。ぼくはそれを見たときに、ああ、ここは何でもOKだなと思ったんですよ。

たぶんリノベーションっていうのも、同じ感覚でしょ?「ここ、けっこう何やってもよさそうじゃん」って始めるんだから。

■中島飛行機
なかじまひこうき。第二次世界大戦終戦まで武蔵野市にあった中島飛行機武蔵野製作所のこと。1940年11月を最初に計9回の空襲を受け壊滅した。広大な工場跡地は武蔵野中央公園とNTT武蔵野研究開発センタになっている。中島飛行機は中島知久平が1917年に設立した日本初の民間航空機会社。
■ロンロン
1969年12月に開業した国鉄(当時)吉祥寺駅の駅ビル。2010年4月に「アトレ吉祥寺」にリニューアル。一階生鮮食品エリアは吉祥寺ロンロンの名称を継承し「ロンロン市場」と名付けられている。