日本新聞協会の理解しがたい主張

NHK(日本放送協会)の今後を巡る公共放送ワーキンググループ(総務省)での議論も大詰めに差し掛かってきております。

ここにきて、経営的に厳しくなっている地方紙を中心に反NHKの機運が高まり、なぜか日本新聞協会(メディア開発委員会)が「自由民主党のヒアリングに応じる」という形で永田町に突撃。NHKのネット対応について、NHKニュースなどのテキスト配信に対して民業圧迫であるという趣旨のロビー活動を堂々と行い、何してんのという感じになります。

NHK放送センター
写真=iStock.com/mizoula
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一連の、NHKネット必須業務化に反対する論陣を張る日本新聞協会の論点は「NHKが無料でニュース配信をネットでやると、地方紙の言論の多様化が失われる」などという、サンドウィッチマン富澤たけしが「ちょっとなに言ってるんだか分かんない」というレベルの内容で、新聞協会に関わる人の知性が疑われる事案になっているのが気になるところです。

また、国民から放送受信料を取る立場にあるNHKは、国民の知る権利を最終的に担保する存在であるにもかかわらず、カネ払えと言われる国民からすると罵声の対象となるのもまた事実です。NHKどころかテレビも観なくなりつつある一部国民からすれば、受益もないのに払えと言われるのは厳しいものがあります。

本来は、国民の知る権利の充足のために採算度外視の教育番組を作ってくれたり、災害時には現地に人を張り付けて災害情報を被災者のために流してくれたりするという民主主義の牙城とも言えるものなのですが、ガバナンスがグダグダだと批判され、今後のNHKがどうしたいのか分からないとまで言われてしまうと「NHKなんてやめちまえ」という話が出てきてしまうのも当然です。