値上げしないとビジネスとして成り立たない

すでに割高ながん保険だが、これが今後さらに値上がりしていく。

日本人の平均寿命が延び、がん患者がさらに増える傾向にあるからだ。国立がん研究センターの統計で、がんの罹患りかん数と死亡数の増加は、人口の高齢化がおもな原因だと結論づけられている。

そして平均寿命は今後も延びていく。厚生労働省の発表によれば2040年には男性が83.27歳、女性は89.63歳になる。無知なインフルエンサーらが「日本ではがんが増えている。これは添加物や抗生物質、ワクチンのせいだ!」などと騒ぐことがある。だがそれはくだらない陰謀論だ。

ベンチに座ってスマホを見ている老夫婦
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昔はがんに罹患するまえにくも膜下出血や心筋梗塞など、血管疾患系の病で多くの人が命を落としていたにすぎない。がんという病にとって最大の支援者は時間だ。人間は年齢を重ねれば重ねるほど、がんに罹る可能性が高まっていく。生体としてそういうメカニズムなのだ。

日本社会は少子高齢化を突き進んでいる。がんに罹りやすい高齢者が増え、その一方でがんに罹りづらい現役世代の数は減っていく。いまですら割高ながん保険だが、今後はさらに保険料を値上げしていかないと、保険会社のビジネスは成り立たなくなってしまうのだ。

あなたにとってがん保険は本当に必要なのか。真剣に考えたほうがいい。日本には手厚い公的医療保険制度がある。万が一、がんに罹ったとしてもその制度で基本的には充分だ。がん保険などという、コスパの悪い出費をあえて選ぶのは賢明ではない。

21世紀にふさわしい投資方法とは

「堀江さんが保有している上場株式の銘柄を教えてください」

手っ取り早くお金を稼ぎたい人が多いのだろう。こんな質問をよく受ける。結論から言えば、上場銘柄なんて持っていない。たんなるマネーゲームには興味がないからだ。私が勧める投資は自己投資だ。大きなリターンを得たいなら起業がベストだろう。

ここ数年、日本では投資の機運が急に高まった。iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)などの税制優遇措置が適用される制度もすっかり浸透した感がある。2024年には、現行のNISAをさらに拡充した「新NISA」もスタートする。

「貯蓄から投資へ」と政府もそんなスローガンを掲げ、国民に投資による資産形成を促している。なら、この激動の21世紀においてふさわしい投資方法とはなんなのか。

ここで簡潔に私見を述べておこう。