裕福な中国人が日本の土地を買い漁っていることを「問題だ」とする声が上がっている。実業家の堀江貴文さんは「『中国人に日本が乗っ取られる』という懸念は誤りだ。むしろどんどん中国人に買ってもらったほうがいい」という――。(第2回)

※本稿は、堀江貴文『2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全』(徳間書店)の一部を再編集したものです。

堀江貴文氏
徳間書店提供
堀江貴文氏

日本は移民をもっと受け入れるべき

アメリカは移民制度をきちんと整備し、優秀な若者にインセンティブを持たせることで、国の新陳代謝を積極的に行っている。これが経済発展の原動力にもなっている。

特にIT業界では優秀なインド系の人材が多く働いている。グーグルの現CEOのサンダー・ピチャイ氏、マイクロソフトの現CEOのサティア・ナデラ氏、こちらはともにインド出身だ。彼らがCEOに就任して以降、両社の株価は上昇している。

一方で、日本は「現代の奴隷制度」と指摘される技能実習制度なるイカサマを駆使し、ゾンビ企業を生き残らせようと必死だ。ゾンビ企業、つまり従業員を低賃金でこき使わないと経営できないような企業のことである。

適切な人件費で経営できないような企業は潰れてしまったほうが社会のためだ。商品やサービスが適正価格となり、だれかの犠牲のもと安くする必要がなくなるからだ。果たしてこんな日本に行きたいと思う外国の若者がどれだけいるのだろうか。繰り返しになるが、日本でも移民を認めるべきだ。

でも日本人の大半は移民にアレルギーがある。特に自民党を支持する保守派の人たちの反対はすさまじい。支持率低下や選挙で大敗するリスクを負ってまで、政府が移民制度の導入に本腰を入れて取り組むとは考えづらい。

外資を極限まで取り入れた北海道ニセコ町で起こったこと

ならほかに日本経済を再生する手立てはないのか。ある。外国資本の力を借りるのだ。

そのモデルケースが北海道のニセコ町だ。かつては陸の孤島であったニセコだが、外資を受け入れてから世界的なスノーリゾートに変化した。高級リゾートホテルが続々とオープンし、地価も高騰。普通のコンビニで、神戸牛やドンペリが販売されるほどの好景気に沸いている。

ニセコの発展は外国資本の存在なしには語れない。外国資本は大規模な投資でリゾートなどを整備し、しかも日本のデフレマインドに引っ張られず、国際水準で価格設定をした。

そしてニセコがここまで大きく変わることができたのは、あまりにも過疎が進んだことにある。昔から住んでいる人たちを中心に外資を呼び込むことに反対する声もあったが、過疎化が進んだことで既得権益層の力が弱まっていったのだ。

近い将来、この「ニセコ」が「日本」になる可能性はありえる。