本命はロケットや衛星などの宇宙開発事業
多くの人が関心を持っているのはアメリカ株だろう。特に「S&P500」というアメリカの代表的な株式指数に連動する投資信託やETF(上場投資信託)が人気だ。たしかに、ここ20~30年のアメリカ経済はすこぶる好調だ。それまでのビジネスのあり方を一変させる企業や製品のことをゲームチェンジャーと呼ぶが、2010年代のゲームチェンジャーは「スマートフォン」だった。だからGAFA(Google・Apple・Facebook・Amazon)などのIT企業が業績や株価を大きく伸ばした。
そして2020年代以降のゲームチェンジャーの本命は、ロケットや衛星などの宇宙開発事業だろう。アメリカではスペースXやブルーオリジンといった宇宙開発企業の活躍がめざましい。今後もアメリカが世界経済をリードする。
でも、だからといって、S&P500やアメリカの企業の株を買えばいいとは言い切れない。株価は必ずしも業績には比例しないからだ。宇宙開発企業が業績を伸ばしても、それが株価や株式指数に反映されるとはかぎらない。
このように投資に確実性はない。確実性がないからこそマネーゲームが成立するわけだ。となるとポイントになってくるのは「どこに投資するか」ではなく、「どう投資するか」だろう。
投資の鉄則「長期・分散・低コスト」
投資には「長期・分散・低コスト」という3つの鉄則がある。
投資は株価上昇を期待して行うが、下落するリスクもある。でも長期保有すればリスクを軽減でき、より大きなリターンを得やすくなる。
投資の世界に「卵は1つのカゴに盛るな」という金言がある。投資をするなら、リスクを分散させるべきという戒めだ。分散のやり方はさまざまだ。いちばん手っ取り早いのは「インデックスファンド」という運用商品に投資することだろう。インデックスファンドとは、日本のTOPIX(東証株価指数)などの株価指数(インデックス)に連動するように設計された投資信託。このうち「全世界株式」などの名称がついている商品を選べば、世界中の株式に分散投資することができる。
将来の正確な株価はだれにも予測できない。でも取引手数料や信託報酬が高いとその時点で不利になる。できるだけ低コストの金融商品を選べば投資は有利になる。
「長期・分散・低コスト」この投資の鉄則は、10年後の未来にも不変なのだ。