「仕事で忙しい人ほど健康管理に気を使い、スポーツジムなどで体を動かす一方、下流層は家にこもって高カロリーのジャンクフードで食事を済ませがちです。かつて成人病は贅沢病と言われましたが、最近は逆で、むしろ下流ほど肥満で成人病にかかりやすい。格差のパラドックスですね」(袖川氏)

上流は外向的で、下流は内向的。今回の調査で裏付けられたそれぞれの特性は、幸福感にも影響を与えている。幸福を感じている人は、上流70.7%、下流42.7%で、圧倒的に上流のほうが幸福実感は強い(図25)。ただし、幸福を感じる要因を尋ねると、上流でも「経済的に恵まれているから」という回答は半分以下にすぎず、「家族や友人、恋人などに恵まれているから」が8割だ(図26)。つまり幸福を左右するのはお金より人間関係であり、上流と下流の幸福感の差も、本をただせば対人関係力の有無に原因があると考えられる。