下流はインターネットの利用時間も長く、1日2時間以上のユーザーが半数を超えている。ただ、上流も1日2時間以上のユーザーが4割を超えており、二極化傾向が見られた(図21)。

「上流と下流ではインターネットの利用スタイルが違います。下流はPCではなく携帯のインターネット。利用するサービスも、お金のかからないコミュニティサイトや無料ゲームが中心でしょう。一方、日中仕事に追われている上流は、夜中にPCで仲間とチャットをするほか、平日夜はネットショッピングで、ストレスを解消するのです」(袖川氏)

読書習慣にも大きな違いがある。年間にそれなりの数の本を読む人が大半の上流に対して、下流では5冊未満の人が過半数で1冊も本を読まない人も2割弱いた(図22)。冒頭に述べた新聞も含めて、体系だった知識や情報を提供する媒体への接触回数が所得と関係するのは興味深い。

よく見ているテレビ局でも、上流と下流には顕著な違いがあった(図23)。上流の約3割がNHKと答えたのに対し、下流では同様の約3割がフジテレビを挙げた。冒頭のよく見るテレビ番組の結果も含めて、上流のほうが時事問題など社会全般への関心が強いと言えるかもしれない。

テレビやインターネットへの接触時間に表れた下流のインドア傾向は、趣味に関する質問にも表れている。上流は4割以上の人が趣味にスポーツを挙げたが、下流は3割以下に留まった(図24)。