お金持ちは混雑した場所に行きたがらないし、行列にも並ばない。きっと、人と同じ道を歩まないことでお金持ちになったからだろう。人生の学びの成果を、「我が道を行く」という過去の体験から得たわけだ。

月末の銀行、行楽シーズンの観光地、渋滞するハイウェイ、 買い物客が殺到するバーゲンセール。どれもお金持ちになる人が避けて通る場所だ。

反対にお金が集まらない人は、そういう場所に集まってくる。もちろん理由も分かる。時間がないから週末にしか遊べない、家族のために仕方なく休日にクルマを運転している、などだろう。それは人混みを避けるわけにはいかないという理由であり、同時にお金が集まってこない理由でもあるのだ。

なぜ貯金好きはお金持ちになれないのか?
[著]北川邦弘(プレジデント社)

なぜなら、嫌なことを仕方なくやっているうちに、それが当たり前になってしまっているからだ。心の中では、不愉快なことでも受け入れないといけないと決めつけてしまっている。自分の人生はこんなものだろうという慰めもあるのだろう。もし、あきらめていないのなら、雑踏にまみれる必要のない方法を探し続けてほしいのだ。

たとえば、私のお客様の中に毎朝、始発電車で出勤する人がいる。電車には楽に座れるし、会社に着いても静かだから、自分の好きなコミックをたっぷり読んでから、気分良く早めに仕事をスタートさせるという。

このように努力する人を、お金は大好きである。また別のご家族の例だが、レジャーでは必ず、混雑期をはずして閑散期に旅行する人もいる。お墓参りや帰省などピークタイムを外せない旅は、必ず電車を座席指定で利用しているそうだ。

いつも人混みの中に居たり、行列に並んでいるとストレスが溜まる。そういう生活が自分の格付けを結果的に押し下げているのかもしれない。こんな自分だからこんなもんだろうという格付けを――(それはモッタイないことだ)。

しかし、あなたの生活はあなたの思考の結果であり、このような生活はあなたの横並び体質をさらに強化していくのだ。お金持ちを目指すなら、「人の行く裏に道あり花の山」という発想を生活の中に取り入れてほしい。