残業は“朝”が効率的

朝は始業時刻に来て午前・午後と仕事をし、終業時刻になっても仕事が終わらないので残業する、というのが一般的な残業の形でしょう。私もそうでした。

30代、私は愛知県衛生部直轄の健診機関に勤めていました。

夏のこと。夕方5時になると全館冷房が強制的に切られてしまい、仕事をするには暑すぎます。そこで一計を案じ、朝早く出勤することにしました。

6時過ぎの始発のバスに乗ると7時ごろに職場に到着します。もちろん時間外なので冷房は入っていませんが、夕方よりはマシです。

朝一番だとバスも空いています。朝型の私は、この時間帯には頭が冴えています。おまけに職場には警備の人以外に誰もおらず、来客も電話も来ないので仕事がはかどるのです。

始業時刻までのわずか1時間半ほどですが、夕方の2〜3時間分に匹敵する仕事がこなせます。

私生活も豊かになる

朝早く出勤しているので、夕方は大手を振って定時に職場を出られます。そうすると家族揃って夕食が食べられます。いいことずくめでした。

その後、大学の教員となりましたが、日中は授業や診療、会議・打合せやメールの返信に追われるので、論文や書籍を書く仕事はおもに早朝に行っていました。

いわば“創造”の時間です。「10時就寝、4時起床」がルーチンになり、大学を退職した今もそのパターンが続いています。

手帳に予定を書き込む女性の手元
写真=iStock.com/miya227
※写真はイメージです

会社の管理職クラスになると、「1日100通以上のメールが来て、目を通すだけで一日が終わる」というような話をよく聞きます。

いったんメールを開くとアリ地獄のように吸い込まれていってしまいます。

「今日も1日、前向きの仕事ができなかった……」とため息が出ます。

このアリ地獄に落ちないために、午前中はメールを開かないという方針を立てたこともあります。

しかし、これだと1日の大切な連絡に気がつかなくて業務に支障を来すこともあるので、「早朝出勤して最初に自分の仕事を行い、始業時刻(定時)になったらメールを開く」とするのが現実的でしょう。