脅しや罰、お小遣いによるコントロールは逆効果
言っていることはわかるが、単なる理想論ではないか、と思われる方もいるかもしれません。確かに、日頃から気を付けてコントロール型の子育ての3つのパターンを避けようとしていても、ついつい罰やプレッシャー、罪悪感で脅してしまうこともあるでしょう。
たとえば、食事中のスマホ。
いくら説明しても、毎日食事をしながらスマホを触る子ども。優しく説明しても、やめてくれない。らちが明かないので、強く叱っていく。そうしているうちに、食事中は諦めてくれた――。
強く叱ったり、脅したりすると、子どもが実際に言うことを聞いてくれるようになるので、子どもの良い習慣のために、とついついコントロール型の子育てをやってしまうこともあるでしょう。
また、コントロールは脅しによるものだけではありません。たとえば、子どもが宿題をやってくれない。自分から机に向かって、やるべき宿題や勉強をしたときに、大げさに褒めたり、お小遣いをあげる。ご褒美作戦で、うまく子どもの習慣を変えられた親も多くいます。
それもそのはずで、脅しや罰、お小遣いによるコントロールは、実際に、かなり効果的に、子どもの行動を変えてくれます。それは、前述した「外発的やる気」が一時的には非常に強く働くからに他なりません。
子供をやる気を引き出すにはどうすればいいのか
どうしても子どもがやるべき行動をしてくれないとき、コントロール型の子育てをしてしまうこともあるでしょう。それ以外に方法がない場合もあるかもしれません。
しかし、外発的やる気は長期的には、子どもに悪影響を及ぼします。コントロール型の子育てが短期的に効果的だったとしても、頻繁に長期的にやってしまうのは好ましくありません。自分がコントロール型の子育てを「やってしまった」「やってしまっていた」などと気づいたら、すぐに意識して、その頻度を減らしていく努力をしなくてはいけません。
さて、コントロール型子育てが、極力避けるべきダメ子育てであるならば、「のびのび派」の子育てはどうでしょうか?
これが、まさに対照的! 「のびのび派」の子育てで、子どもの自律性、つまり、「自分からやろうとする気持ち」をサポートしていくと、たくさんのいい効果があることがわかっています。
・幸福感や自己肯定感が上がる。
・社会貢献の気持ちが増す。
・好奇心とやる気が強くなる。
・自信がアップする。
・成績が上がる。
・学校が好きになり、より頑張る。
このように、「のびのび派」の自律サポート型子育ては、子どもの心の安定と健全な社会性を育むだけでなく、成績や学校でのパフォーマンスまでアップさせるのです。