「人気俳優に服を着せればそのブランドが売れる」時代は終わった

トレンドを人為的に変化させることは不可能ではありませんが、2010年代後半以降は非常に困難になっています。それまでに使っていたキャンペーン的な手法ではマス層があまり動かなくなってきたからです。これも個人の嗜好しこうが分散化してしまったためではないかと考えられます。その最たる例は、有名芸能人を起用したキャンペーンです。

2005年ごろまでは特定の人気芸能人がドラマで着た衣装はもれなく大ヒットするという法則が成り立っていました。メンズでいうなら90年代半ばから2005年までの木村拓哉さんがその典型でしょう。ドラマ出演時に着用した衣装はどのブランドも売れに売れました。女性では、96年にバーバリーブルーレーベルを大ヒットに導き、「アムラー」という言葉も作られた安室奈美恵さんなんかがその典型でしょう。

最近でも「ドラマで着用してくれたら売れる芸能人」という枠組みは存在しますが、当時ほどの威力はありません。恐らく消費者の嗜好が分散化している上に、ドラマの衣装なんてしょせんは借り物に過ぎないと多くの消費者が知ってしまっているためリアルに受け取っていないのではないかと思います。