パソコン仕事で疲れるのは目線が下がるから

この姿勢を覚えてください。長時間座っても、体に負担をかけず、疲れない姿勢です。崩れてきたら、【1】~【4】を繰り返して戻すようにしましょう。

気が付くと脚を組んでいるという人は、とくに【1】の「腰を起こす」というプロセスを意識してください。脚を組みたくなるのは腰が落ちているからです。脚を組むと骨盤まわりの筋肉がねじてれしまうため、組まないように気をつけましょう。

正座をする機会が多いという人も、この付け根チョップをして腰を起こして、背中が丸まらないように座るといいでしょう。

腰が落ちて背中が丸くなると胃腸を圧迫してしまうので、座って食事をとる場合も、腰を起こすように意識するとよいですね。また、PC作業をする場合は、PCの中央が目と同じ高さになるように上げるのがおすすめです。

座り方、立ち方を軽視してはいけない

正しい座り方や立ち方を身に付けて背中の筋肉がゆるむと、人間関係がスムーズになります。たかが姿勢、と侮ってはいけません。

私は専門学校や大学の就職活動対策として、姿勢や歩き方のお話をさせていただく機会があります。そこでよく話すのですが、人への印象は、会った瞬間にある程度決まってしまいます。

猫背や巻き肩だと、頼りなさそうで、だらしなさそうな印象を与えてしまいます。首が前に出て顔が大きく見えるので、良い印象ではありません。かといって、ビシッと胸を張っていると、いかにも自信にあふれていそうですが、実は目に見えない緊張感を生み出してしまうので、お互いに疲れやすくなってしまいます。何より、自然体ではありません。

ラクで心地よく、自然と胸が開いている姿勢が、落ち着いた印象を与えます。余計な力が抜けている人と一緒にいると、人は心地よさを感じます。

「この人と一緒に仕事をしたい。この人に任せたい」
「この人と一緒の時間を過ごしたい」

信頼される人は、立ち姿から心地のいい雰囲気をまとっています。それは、営業やプレゼンテーション、ご近所、友だち付き合いなど、人間関係全般に言えることです。最近はオンラインでの面会も増えていますが、オンラインだからこそ、姿勢が与える印象はより強くなります。

「美しさ」を目指さなくていい

心地いい姿勢でいることのもう一つのメリットは、自然に笑顔になることです。背中が固いと、自分では笑っているつもりでも、顔の筋肉がひきつって不自然な笑顔になっていたり、笑っているように見えなかったりします。

心地よさは、伝染するものです。まずは自分が心地よい状態になってください。それが、周囲の人に安心感や心地よさを与えることになるのです。