※本稿は、犬飼奈穂『背中をゆるめると健康になる』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
ダイエットしてもやせない理由は「背中」にある
突然ですが、下記のような悩みを抱えていませんか? もし、こんなコンプレックスを抱えて「だからダイエットをしなきゃ!」と思い込んでいるようなら、運動や食事制限を始める前に、この記事を読んで頂きたいと思います。
・お腹をひっこめたい
・二の腕を細くしたい
・太ももをスリムにしたい
・お尻を小さくしたい
・首を細く見せたい
こんな悩みを抱えている人の多くは、背中が固くなってしまっています。「背中が固くなっている」と言っても、すぐにはイメージしづらいかもしれません。具体的には「体の後ろ側の筋肉=背中の筋肉」が、こり固まっている状態を指します。
多くの人は、日常生活で「体の前側」の筋肉ばかりを使っています。ものを掴む、パソコンやスマホの操作をする、料理をする、歩く……普段の生活では、残念ながら「体の後ろ側」の筋肉はほとんど動かせていないのです。動かせていないと、筋肉は固くなります。
日ごろは意識しない背中の筋肉ですが、人間の体の構造上、とても重要です。「広背筋」と呼ばれる背中の大きな筋肉の一つは、肩甲骨や上腕、骨盤などに付着しています。この広背筋が固くなると、背中の周囲の筋肉が不自然に引っ張られます。
体重を落としてもスリムな体型にはなれないワケ
実は、背中が固くなって筋肉が張ることと、全身が太って見えることは大きく関係しているのです。
「猫背」を例に、説明しましょう。図表1のように、猫背は背中が丸まり、肩が内側に入ってしまっている状態です。猫背は、筋肉が固くなることで引き起こされています。大胸筋という胸の筋肉が固くなって縮まると、腕の骨が内側に引っ張られます。腕は内側にねじれるので、巻き肩になります。