「かくあるべし思考」は棄てる

年をとるにつれ、少しずつ保守的な思考になっていきます。「もう年だから」「年甲斐もなくみっともない」などという言い訳を並べて、新しいことに挑戦しません。

「かくあるべし」という基準を勝手に作って、そこから一切はみ出そうとしない。そこで私は言いたいのです。

第3条 「かくあるべし」思考は棄てる

たとえば、素敵な赤い服があったとしましょう。あまりにチャーミングなので自分も着てみたいと思ったものの、「これを着たらみんなに笑われるんじゃないか」と躊躇ちゅうちょする人は多いのではないでしょうか。

でも前述したように、人生は実験です。笑われるかどうかは、着てみないとわかりません。もし本当に着たいのなら、着てみればいい。「よく似合っている」「若々しくていいね」とほめられる可能性もあるのです。これは試してみないとわかりません。

夫は妻を責める
写真=iStock.com/kazuma seki
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世間体という名のプライド

「かくあるべし」という思い込み――あるいはプライドといってもいいのかもしれません――が、可能性をどんどん削いでしまっていることに気がつくべきだと思います。

「かくあるべし」思考は、自分自身のプライドというよりも、世間体を気にしすぎていることが原因で発生するのではないかと思います。

「かくあるべし」=「かっこ悪いからやめよう」という思考は、高齢者の行動範囲を狭めてしまいます。「杖なんかつきたくない」「オムツなんかつけたくない」という理由で、外出をしない。「補聴器をつけたくない」から、他者との会話を避ける。

そうではなく、年をとるってこういうことだよね、と柔軟に受け止め、いろいろなことを試してみる。そういう人のほうが、楽しい後半生を手にする可能性は高くなりますし、うつになるリスクも低いのです。