試してみないことにはわからないことだらけ
あれは50歳くらいのことでしょうか。私は、正解を求めて本を読むということをやめました。それ以降は、いろいろな正解があることを知るためにさまざまな本を読むという考えのもと、読書を楽しむようにしています。
ものごとには正解があると決めてかかる人は、試す前から答えがあると思っている人です。そういう人は、読書でいえば、すでに自分の中で正解が存在しているため、結局は自分と同意見の本ばかり集めてしまいます。
世の中には絶対的な正解などない。試してみないことにはわからない。そうとらえれば世界は大きく広がります。
人生は実験だ
人生は実験なのです。実験の連続です。
今日はラーメンを食べようと決めたとしましょう。いつも行っているラーメン店は確実にうまい。それはよくわかっている。でも隣には一度も入ったことのないラーメン店がある。行列ができることもあるくらいの店だから、たぶんうまいのだろうが、自分の舌には合わないかもしれない。そう考えていつものラーメン店に入る……。
もちろん、それでいつものおいしいラーメンを食べるのもいいのですが、初めて隣の店に入って別のラーメンを食べてみるほうが、人生が開けるはずです。
「人生が開ける」という言い方は大げさかもしれませんが、隣の店のラーメンがおいしかったなら、自分の「引き出し」が増えるわけですよね。もちろんそのラーメンがおいしくないかもしれません。そのときは実験が失敗だったと思えばいいだけの話です。
実験の繰り返しこそが人生。試してみてこそ、人生の楽しみが広がっていくのです。だからこそ、この結論です。