TVerのバラエティ歴代最高再生数を記録した初回放送
反響の大きさは今春スタートの新番組で断トツと言っていいだろう。
「まつもtoなかい」は4月30日の初回放送がTVerのバラエティ歴代最高となる245万再生を記録。注目度の高い最初のゲストに香取慎吾を招き、中居正広とは6年ぶりの共演だったことが成功の理由であることは間違いないだろう。
しかし、この番組は単に元SMAPの共演に留まらない可能性と、それが出落ちだったと言われかねない危うさを感じさせられる。
はたして「まつもtoなかい」はどんな可能性と危うさのある番組なのか。視聴者からどんな声が上がり、松本人志と中居正広、スタッフたちは、どんなことが求められているのか。放送前からの1カ月あまり番組関係者たちに聞き込みをした話を交えながら、それらを掘り下げていく。
4回目で見られたキャスティングの妥協
番組は“トークパート”と“パフォーマンスパート”の2部構成。ここまで1回目は1・2部ともに香取慎吾が務め、2回目は上沼恵美子×北川景子/マカロニえんぴつ、3回目がトータス松本×安藤サクラ/ちゃんみな、4回目が岡田准一×広末涼子/Snow Manが出演し、28日放送の5回目は小栗旬の登場が予告されている。
第4回までの視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は以下の通りだ。
5月7日:上沼恵美子、北川景子【世帯5.2%、個人3.1%】
5月14日:安藤サクラ、トータス松本【世帯4.9%、個人3.3%】
5月21日:岡田准一、広末涼子【世帯5.7%、個人3.5%】
トークパートのゲストが1人だったのも、パフォーマンスパートを兼ねていたのも1回目の香取だけ。つまり、あえてインパクト重視でイレギュラーな形を選んだのだが、こちらのほうが視聴率や配信再生数を得られている。ゲストは1人か2人か、1・2部通しのほうがいいのか、最適解が見えるのはまだまだ先だろう。
それでも2回目以降の苦戦傾向を見る限り、やはりメインのトークパートはキャスティングの重要性が高い。香取ほどのインパクトはなかなか難しいとしても、特番時代の甲本ヒロト×菅田将暉、布袋寅泰×新庄剛志、長渕剛×千鳥・大悟あたりと同等レベルのこの番組でしか見られないというキャスティングを実現できていないのが気がかりだ。
特に4回目の岡田准一×広末涼子は映画の番宣であり、この2人は前週に裏番組の「行列のできる相談所」(日本テレビ系)に出演していた。このあからさまな番宣ゲストは、放送前から批判の声が上がっていただけに、今後もスタッフサイドがキャスティングで妥協していたら先行きは暗いと言わざるを得ない。