毎分視聴率も下がっている
残念ながらネット上には「トークパートをもっと長くしてほしい」「歌はいらないのでは」などの声が毎週上がっている。これは現在、番組を見ている視聴者はパフォーマンスパートに面白さを感じていない人が多いことの表れ。さらに毎分視聴率も下がっていて、番組関係者は頭を痛めているという。
この課題は歌と笑いを交互に放送しているだけなどと揶揄された「FNSラフ&ミュージック」と同じであり、それが改善されることなく「まつもtoなかい」に引き継がれているように見えてしまうのだ。
レギュラー化する際、なぜ特番のときにはなかったパフォーマンスパートを作ったのか。その理由が前述したような松本と中居の音楽番組での実績と技術を生かすという前向きなものならいいだろう。
しかし、トークだけで1時間もたせられる人をキャスティングするのが難しいという後ろ向きな理由なら、番組の足を引っ張る存在になりかねない。
近年のフジにはなかった意欲作
最後に「まつもtoなかい」に期待できるポジティブなポイントを2つあげておきたい。
1つ目はここまですべて日曜21時台に1時間で通常放送していること。2010年代から現在まで、視聴率や制作費の低下などを理由に既存番組の2~3時間特番を乱発するなど、各局自ら内容の密度を下げ、視聴習慣を失わせるという事態が続いて視聴者を辟易させていた。
業界内では、もともと2時間超の特番だった「まつもtoなかい」も、「2時間特番の隔週放送になるのでは」と言われていた。しかしフタを開けてみたら、香取慎吾を招いて大きく出たいはずの初回は1時間の通常放送で、2回目以降も通常放送を続けている。
これは「日曜21時は『まつもtoなかい』という視聴習慣をつけてほしい」「エンタメを凝縮した中身の濃い番組にしたい」という狙いの表れ。目先の視聴率や効率を優先させない編成姿勢は近年のフジテレビでは見られなかったものだけに期待が持てる。