番組継続のために必要なこと

その点、「まつもtoなかい」は意欲的なチャレンジなのだが、少人数のトーク番組が衰退し、大物有名人が減ったという難題をどうクリアしていくのか。

たとえば、香取以外のSMAPメンバーや元ジャニーズ、とんねるず、ウッチャンナンチャン、爆笑問題などの松本と近いレベルの芸人、織田裕二、堺雅人、深津絵里、松嶋菜々子などのバラエティ出演の少ない俳優、世界で活躍するアスリートやアーティストを招いてワクワクさせる。

あるいは、共演NGが噂される2人、元カップルや元夫婦、解散したユニットの元メンバー同士などの緊張感ある組み合わせ。さらに、テレビから遠ざかっている、のん(能年玲奈)、小出恵介、江頭2:50、西内まりや、水嶋ヒロ。またはスキャンダルを起こした人や疑惑のある人などの大胆なキャスティングで驚かせたいところだ。

これらのキャスティングをできれば月1レベルの頻度で見せ続けていけるのか。そして、松本と中居が「視聴者が本当に聞きたいこと」に突っ込んで聞いていけるか。それができればここでしか見られない特別な番組というブランドイメージを作っていけるだろう。

ザッピングしながらテレビ番組を見る
写真=iStock.com/Yuzuru Gima
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番組の足を引っ張る後半の歌パートは必要なのか

一方、パフォーマンスパートは4回連続で音楽系アーティストが出演し、それぞれ披露したのは1曲のみ。明らかに歌よりトーク時間のほうが長いのだが、この構成は2年連続で放送された大型特番「FNSラフ&ミュージック~歌と笑いの祭典~」(フジテレビ系)とほぼ同じだった。

この特番では、松本が「キャプテン」、中居正広が「サポーター」という立場で事実上の進行役を担当。そもそも松本は「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP」、中居は「うたばん」というトークベースの歌番組を担っていただけに違和感はなく現在アーティストの扱いが最もうまいMCと言っていいかもしれない。

ただ気になるのは、やはりキャスティング。毎回プレゼンターを務める芸人が「話題のアーティストや注目のエンターテイナーなど今イケてる才能を松本と中居に紹介する」という趣旨を紹介しているにもかかわらず、これまでそれとはかけ離れたキャスティングが続いている。

放送された4回のうち趣旨に合っていたのは、3回目に出演した、ちゃんみなくらいで、残りの3組は松本も中居もよく知っているアーティストばかり。なかでもSnow Manとマカロニえんぴつは明らかにファン層の視聴率を狙ったものだった。これらのアーティストはファンの視聴こそ見込める反面、それ以外の層を巻き込んでムーブメントを生み出すことは難しい。