そんな永田に魅入られたのが、中央区八重洲に本店を構える、炭火焼きホルモン「ぐう」だ。芝浦にある食肉センターから毎日肉を仕入れ、その日のうちに全量使い切る。冷凍肉は一切使わない。抜群の鮮度と丹念な下処理で、特にホルモン系で圧倒的な支持を集める名店である。責任者の松浦曜汶が言う。
「もう、永田さんどんだけ来んねんと。僕ら営業の人には厳しいんで、最初はああサントリーさんかいな、忙しいからもう来んなと。それが知らず知らずのうちに永田さんの人柄に魅了されて……」
ファーストコンタクトは09年の年末。永田はサントリー得意のドリンクメニューの提案やメニューブックの作成、ビール工場の見学ツアーのセッティングなど、あらゆる営業スキルを投入して「ぐう」にラブコールを送り続けた。
当初、「ぐう」のスタッフは大反対。松浦自身も反対だったというのだが、いったい何が決め手になったのか。