CASE2 デリカシーのない夫

「夫が心から謝罪してくるまで無視し続けるつもりです」と息巻くのはK代さん(40歳)。結婚8年目の2歳年上の夫について、K代さんいわく「もともとデリカシーのカケラもない人」とのこと。

「K代も昔はかわいかった(=今はかわいくないの?)」
「オレは明日も仕事だから先に寝るわ(=私だって仕事があるのに……)」
「オレのほうが料理、うまいよね(=だったら作ってよ!)」

というように、余計なひと言でK代さんはこれまでも夫の言葉に少なからず傷ついてきたという。

先日は、仕事に関することでK代さんに投げかけた夫の言葉にも深く傷ついたK代さんだった。

「基本的には私が毎日の夕食を作ることになっているのですが、その日は急な残業があって帰宅が遅れてしまったんです。夕食の支度を慌ててしたところ、炒め物と焼き魚という2品のおかずをどちらも失敗してしまいました。焦げた料理を食べるなり、夫は『家事もロクにできないのに、ちゃんと働けているの? お前を雇っている会社、大丈夫?』とバカにしたんです。ちょうど今、一年でもっとも仕事が大変な時期ということもあって、私自身、神経が張り詰めていることもたしか。でも、私だって毎日必死で働いて、家事も頑張っているつもりなのに、バカにするなんてあんまりじゃないですか?」

夕食後、お風呂に入っていると悔し涙が出てきたというK代さんは、それでも気持ちを立て直し、翌朝になって「たまったストレスを解消しに、週末はアウトレットに行ってショッピングしない? 最近、ちょっと太ったから新しい洋服も買いたいし」と、夫に週末の過ごし方について明るく笑顔で提案したとのこと。

すると、夫は「なんでまず痩せようとしないわけ? そもそも、そんなだらしない身体で人前に出るのって、恥ずかしくないの?」と冗談めかした言い方ではあったが、K代さんに辛辣しんらつな言葉を浴びせてきたのでした。

「私だって好きで太っているわけじゃないのにひどい……。さすがにもう堪忍袋の緒が切れてしまい、夫とは口を利きたくないし、夫の顔も見たくなくなったんです」というK代さんは、その日を境に夫へのストライキを決行。

「会話をしないことはもちろん、洗濯物を洗うのも食事を作るのも私のものだけ。夫が心から謝って改心するまで、彼はいないものとして暮らすことにしました」