※本稿は、古川渉一、酒井麻里子『先読み! IT×ビジネス講座 ChatGPT 対話型AIが生み出す未来』(インプレス)の一部を再編集したものです。
AIの生成結果が正しいのかいったん全部疑ってみる
【酒井】ChatGPTなどの文章生成AIで作られる内容は必ずしも正しいとは限らないことがわかりましたが、“平気で嘘をつくAI”をうまく使いこなしていくには、どんな心がまえが必要なんでしょう?
【古川】ChatGPTなどの生成系AIは「あくまでも確率で“それらしい”回答を生成しているだけに過ぎない」「そのモデルが学習を行った時期以降の情報は答えられない」という点を、しっかり心にとめておくことが必要です。
【酒井】人間でたとえるなら、「話を合わせるのはうまいけれど、話の流れや理屈を理解して返事をしているわけではないし、最新の話題にもうとい人」と会話をしている感じでしょうか?
【古川】そうですね。「いったん全部疑ってみる」くらいの姿勢でもいいかもしれません。あくまでもサポートツール、アシスタントツールとしてとらえることが大切です。
【酒井】生成された内容を鵜呑みにするのではなく、自分で下調べをしたり、ゼロから考えたりするのを少し楽にするために使うという姿勢が重要ということですね。
最新情報が反映されないという弱点はどう補うか
【酒井】それにしても、最近の情報は学習していないから回答に反映できないというのは不便ですよね。
【古川】Web検索の結果を回答するサービスを使うのがいいでしょうね。たとえば、「Perplexity AI」というサービスはリアルタイムにインターネット検索し、最新情報をもとに回答させられます。
【酒井】チャットのやりとりをしながら、学習データにないものはWebの情報を参照するということですか?
【古川】そのとおりです。Microsoftの検索エンジン「Bing」に搭載された対話型AIと同様に、Web検索の結果を参照しながら回答でき、根拠となるURLも提示してくれます。
【酒井】チャット形式で会話できるという利便性はそのままで、これまでのChatGPTの弱点を補えるのはいいですね。