飲み会はあくまで「手段」であると忘れない

まず①のテーマや目的というのは、飲み会を通じて実現したいことです。例えば、「個別最適の追求に走りがちな部下を全体最適に寄与する方向に変える」という明確な目的があり、そのために職場より気楽に話しやすい業務外の飲み会でリーダーが部下とコミュニケーションをはかろうとする場合などは、飲み会が有効なチームビルディングの手段になりえます。

小川清史『組織・チーム・ビジネスを勝ちに導く「作戦術」思考』(ワニブックス)
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②は、そもそも酒を飲み過ぎるとコミュニケーションが成立しにくくなるので、そうならないよう努めようということです。あくまで酒は会話しやすくするためのツールです。酔っ払いをつくる会ではありません。

③は読んで字のごとくなのですが、意外とこれをしっかりとできている日本人は少ない気がします。相手を誹謗中傷しないというのは当たり前のことですが、例えば部下から何かを指摘をされた時に、相手の「部下」「年下」「経験不足」などの属性をもとに「どの立場でものを言っているんだ」「部下のお前にそんなこと言われる筋合いはない」「年下のくせに」「そこまで言うならじゃあお前がやってみろよ」「そういうことはもっと仕事ができるようになってから言え」などと言い返してもいけないということです。

相手の主張と属性をしっかりと区別し、相手の主張に基づいて議論するということを、大半の日本人が苦手としています。相手の主張よりも属性に基づいて、反発したり、肯定したり、妄信したりする人が少なくありません。

④は①に通じる内容であり、飲み会はあくまでもチームビルディングの「手段」であって「目的」であってはならないという意味です(「そんなものは飲み会とは言えない!」という声も聞こえてきそうですが)。

そして、この飲み会は、仕事に通じるものであるため、会社による費用負担があればより一層仕事向上のための飲み会であるとの意識が強まるでしょう。ちまたで「飲みニケーション」が再評価されているからと言って、リーダーがテーマも目的もなく、ただ会社から与えられたポストと部下を使って飲み会を開いても、チーム力の向上にはまったく役に立たないでしょう。

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