上司が偉ぶるだけなら百害あって一利なし

コロナ禍が続いたためもあり、正直なところ、今日の飲み会の実態がどのようなものなのかは私にはわかりません。

ただひとつだけ確実に言えるのは、こうした「昔ながらの飲み会」は、「第三の波」の組織を目指すチームビルディングをしていく上では、百害あって一利なしだということです。

「昔ながらの飲み会」には、上司が部下にマウントをとって若手を嫌がらせるための機能しかないと言っても過言ではありません。「無礼講」とは言いながらも、部下が上司に対して下手な発言をするとその後の職場での人間関係にも影響があるため、部下は口をつぐみがちになり、自主積極性とはほど遠い心理状態で次の日の仕事に向かうことになります。

では、本当に「無礼講」で、上司も部下もみんなが楽しんで参加できているような飲み会だったらオッケーなのでしょうか?

もちろん、私としても「楽しい飲み会」自体を否定するつもりはありません。そうした飲み会ならチームの団結力もある程度強化されることでしょう。

バーで乾杯する3人のサラリーマン
写真=iStock.com/maroke
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チーム力を向上させる飲み会の4条件

しかし、ひとつ注意していただきたいのは、そこで強化されるのは「疑似家族」や「疑似共同体」としての団結力であって、チームで仕事に取り組む機能を向上させる団結力ではない、ということです。

家族や共同体はそもそも仕事をするために団結しているわけではありません。だから、疑似家族や疑似共同体の団結力を強化したところで、チームとして組織的に業務を遂行する機能は強化されません。つまり、「ただ楽しいだけの飲み会」もチームビルディングには有効ではないということです。

「じゃあ、いったいどんな飲み会ならいいんだ?」というみなさんの声が聞こえてきそうですが、あくまでもチームビルディングの視点で言うなら、最低限、次の条件を満たしている必要があります。

①テーマや目的が設定されている
②酒を飲み過ぎないようにして、主に意見交換や議論に務める
③意見交換や議論の際には人格攻撃をしない(意見と人格を分けて議論する)
④飲み会を開催すること自体が目的ではない