観察すると心を開くキー・ポイントが見える
コミュニケーションの意識を自分本位から相手本位に切り替えると、「丁寧に伝え」「慎重に聴き」「確認をとる」ことになり、お互いの関係が大きく改善されます。
相手を観察する機会が大幅に増え、今までは見えなかった、相手の心を開くキー・ポイントが見えてくるようになるのです。
相手本位という意識ですから、
・いつ話しかけると、一番集中して聞いてくれるか
・どのような表情やしぐさで聞けば、相手が話しやすいか
・どんなことを言われたら嫌がるのか
・どんなことを言われたら喜ぶのか
ということもわかるようになってきます。
自分の常識は他人に通用しない
私たちは、コミュニケーションを自分本位に捉えがちです。
「言ったじゃないか!」「そんなことは聞いていません」というやりとりが象徴しています。あなたもこのように言われたことがあるのではないでしょうか。あるいは、あなたも使う言葉かもしれません。
「言ったじゃないか!」という言葉の裏には「自分の言ったことは絶対に相手が聞いていて、理解し納得しているはずだ」という気持ちがあるかもしれません。これはまったくの自分本位です。
「そんなことは聞いていません」というのは「聞いていないんだから、こちらに責任なんてない。どうせ言ったつもりでいるだけで、言い忘れたのだろう」と伝えたいのでしょう。これもやはり自分本位です。
自分本位の人たちのコミュニケーションは不安定で、人間関係のトラブルを起こしやすいものです。コミュニケーションは、相手本位でなければ気持ちのいい人間関係を築くことはできません。
トラブルが起こったときは、相手のせいにして責任をなすりつけるのではなく、「自分の言ったことを、彼が(彼女が)理解できていたか」という視点が不可欠です。
「そんなこと聞いていません」と、責任逃れするのではなく、「相手が言ったことを、うわの空で聞けていなかったのかもしれない」という視点です。
そんなときは感情的になって反発するのではなく、「では、もう一度聞かせてください」と素直に言えばいいのです。