持ち家と賃貸、どちらが賢い選択なのか。不動産コンサルタントの午堂登紀雄さんは「経済的な損得を考えると、持ち家が最もお得」だという。
※本稿は、午堂登紀雄『人生の正解をつくるお金のセンス 17歳までに知っておきたい「使う」「貯める」「稼ぐ」「守る」「増やす」の考え方』(技術評論社)の一部を再編集したものです。
・登場人物
【慶太】しっかり者の17歳、現在高校2年生。バスケ部と弁論部をかけもちしている二刀流。高1の頃はパパの真似をしてアプリを開発・販売していたこともあり、将来は起業を目指している。
【慶太】しっかり者の17歳、現在高校2年生。バスケ部と弁論部をかけもちしている二刀流。高1の頃はパパの真似をしてアプリを開発・販売していたこともあり、将来は起業を目指している。
【パパ】慶太のパパにして、会社経営者。家計はすべてパパが握っている。将来は慶太も和泉も起業してほしいと考え、お金の面で困らないよう、いろいろ伝授に余念がない。
【穣一】パパの姉の子で、現在25歳の会社員。パパからは甥、慶太からは従妹にあたる。根はマジメで、パパのことを尊敬しており、よく相談に乗ってもらっている。
家は賃貸の方が楽でいい?
【穣一】前にメールした、家を買うかどうかって話の続き、いいですか?
【慶太】なになに? なんの話?
【穣一】家は、買うのと借りるのとではどちらがトクかなあと思いまして。
【パパ】そうだねえ、まず何をもってトクと考えるかだね。あとは家に何を求めるか。そういえば、穣一くんは入社3年目だっけ。だったら、今後異動や転勤、あるいは転職や結婚などの可能性もあるから、いまは賃貸のほうがラクかもね。
【穣一】でも、家賃がもったいないなあと。
【パパ】まあ、その気持ちはわかる。だから、別に買ってもいいんだよ。ただし、もし勤務地が変わって引っ越しすることになったら、その部屋を賃貸に出すだろう? それには、部屋のクリーニングやリフォームをして、賃貸仲介の会社に家賃などの条件を査定してもらって、どこの会社にお願いするか決め、募集図面を作ってもらって、入居者を募集してもらう、という手間が必要になる。
【穣一】聞いただけでもめんどくさそうです……。