結論の出ない論争
住宅に関しては昔から様々な論争が存在します。そもそも「持ち家を取得すべきか」それとも「賃貸の方が良いか」というのも言わば古典的な論争で、なかなか決着は付きません。私の知り合いのFPや評論家の方々の中にも持ち家派と賃貸派に分かれて論争が続いている方々がいます。
でも正直言ってこれについてはどちらが絶対正解という答えはありません。単純に経済的な損得だけで言うと、需給バランスから考えてこれからは持ち家よりも賃貸の方が良いかもしれませんが、年老いてくるとなかなか新しく家を借りることもできなくなります。したがって、持ち家を主張する人が求めているものは、経済的なことよりもずっと自分の家に住めるという“安心感”であると言っても良いでしょう。つまりこれは大袈裟に言うと、人生をどう考えるか、どう生きるかという哲学の問題にもなってくるため、一概にどちらが良いということは言えないのです。
変動金利か固定金利か
これに対して、持ち家派の中でも住宅ローンの利用の仕方として変動金利を選ぶ人と固定金利を選ぶ人に分かれます。金融機関によってもデータが異なるでしょうから一概には言えないもののこれまでのところは変動金利を利用している人が7割以上いると言われています。ところが、ここからは金利が上昇していくのではないか? ということを不安に思う人が急速に増えてきたことで、住宅ローンを利用するには変動金利が良いか固定金利が良いかに悩む人が増えてきているようです。
でもこれに対しても絶対的な答えはありません。原理原則を言えば、これから金利が上昇するのであれば変わらない固定金利にすべきでしょうし、逆にこれから金利が下がるのであれば変動金利にした方が良いということは誰でも分かります。
問題は、ここから金利が上がるのか下がるのかが誰にも分からないということです。確かに評論家やアナリストは様々な予想をしますが、その通りになるとは限りません。むしろ予想が外れることも多いのです。ここから株が上がるかどうか、為替が円安か円高かということと同じぐらい金利の予想も難しいものです。