そこそこ良い評価に甘んじてはいけない
今回は、「アンラーニング」について議論してきました。ここで紹介してきたデータ群が明らかにしているのは、アンラーニングを妨げているのは、「過去の成功」ではなくむしろ、就業者が今もなお浸り続けている、現在の「中途半端な成功体験」であるということです。今の仕事のやり方に「限界」を感じることのない、安定的な仕事の中で、中途半端な評価を受け続けることが、「変わらなさ」「捨てられなさ」へとつながっています。
であるならば、形骸化した目標管理のあり方から、幅広い業務経験の不足まで、従業員の「今」の就業環境を再設計していくことが、アンラーニングの促進へとつながっていくはずです。また、個人にとっては、今の「そこそこ良い」評価に甘んじることなく、先ほど見たような自分の仕事の「限界」を感じられるような経験こそを、積極的に追い求める必要がありそうです。