D4DR社長/コンサルタント 藤元健太郎(ふじもと・けんたろう)●1967年東京都生まれ。1991年電気通信大学電気通信学部卒。野村総合研究所在職中の1994年からインターネットビジネスのコンサルティングをスタート。日本発のeビジネス共同実験サイトサイバービジネスパークを立ち上げる。2002年よりコンサルティング会社D4DRの代表に就任。日本初のCGMサイト関心空間社取締役、経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員、青山学院大学ExectiveMBA非常勤講師などを歴任。

LINEの躍進に象徴される新潮流

今回から連載をはじめることになった。このタイミングはとても嬉しい。IT×マーケティングがようやく経営レベルで考えなければいけないところに来ている。私もさまざまなところで寄稿したり、講演などで話をしたりしてきたが、正直仮定の話も多かった。しかしインターネットの登場以来、長く続いた頭の体操のフェーズがようやく終了し、現実的なIT×マーケティングの新パラダイムが訪れたといえるだろう。

象徴的な先進事例から紹介したい。先日最近急激に利用者を増やし全世界で4500万人、国内でも2000万人が利用している「LINE」という電話帳SNSのアプリケーションを活用したローソンのキャンペーンが実施された。私のスマートフォンにもお昼に食べてねと言わんばかりの11時12分に、おいしい「Lチキ」の写真とともに半額クーポンが届いた。それを近くのローソンに行きLoppiの端末で番号を打ち込み、クーポンを入手してレジに持っていけば、先着150万人が割引を利用することができるというものだ。

「高校生が100人来た!」とアルバイト店員が驚く様子もツイッターで流されていたらしいが、ローソンのLINE上での友達数はすでに287万人(2012年8月8日現在)を越えており、相当な数が利用されたことが予想される。これはもはや実験という枠は越え、大きな果実を得ている段階だろう。

→ローソンLINE公式アカウントに関する記事
http://www.j-cast.com/kaisha/2012/07/10138812.html?p=all