新しい「4P」を活用できるか

このパラダイムの変化の要素は以下の3つである。

1)いつでもどこでも顧客とデジタルデータを介したコミュニケーション可能
2)そのプロセスはリアルタイムで行うことができる
3)顧客の行動を全てデジタルデータで可視化することができる

このパラダイムの変化を前提に4Pを整理すると以下になるだろう。

これまでの4Pはコミュニケーションできないことが前提であった。

→マーケティングの4P戦略
http://allabout.co.jp/gm/gc/297680/

しかし新しいパラダイムではコミュニケーションが可能なわけだから、商品(Product)はまず共感してもらうところからである。共感がない商品には際限のない価格競争が待っている。何しろ顧客は、価格情報をネットでリアルタイムで入手できるのである。

アマゾンは商品のバーコードを読み取るとアマゾンの中で最安値を瞬時に提示してくれるサービスを提供しているが、それはスマホを持っている顧客はいつでもネットで買える状況で店舗に来るということでもある。

逆にいえば今後は価格(Price)を調べられる立場ではなく提示できる状況に持っていく必要があるということだろう。雨の日に来店を促すために大幅に値引くこともあれば、コミュニケーションにより価格以外の付加価値をしっかり提示することもリアルタイムにコミュニケーションの中では可能である。そうしたコミュニケーションを促すためにはプロモーション(Promotion→Participation)というよりは参加を促すメッセージをまずは発信し、顧客に参加意識を持ってもらうことが大事になる。

そして購入の場(Place)であるがスマホ上でも店舗でも購入できるわけだから場所の制約は無くなる。むしろ顧客が買いたくなる場所や時間、シチュエーションを発見しこちらから購入を促すコミュニケーションが重要になる。メーカーの立場としてもチャネル戦略は大きく変わる。

このように新しいパラダイムにおいては情報武装する生活者と企業はデータを介して繋がることができるかが勝負になる。繋がることができるIT投資,組織作りとデータの活用体制は重要な鍵となる。次回はその部分を述べたい。